階段デザインを決めていく上でのポイント

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
大津の家, 井上久実設計室 井上久実設計室 غرفة السفرة
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家づくりをしていく上で、階段の配置場所やデザインなどを後回しにする方は少なくないはずです。どうしても、リビングやキッチンといった生活空間に比べると、それほど重要度が高くない場所となるでしょう。しかし、階段の間取りやデザイン次第で、その周囲だけでなく、上の階を含めた家全体の使いやすさや快適性が大きく変わるのです。そこで今回は、大阪を拠点に活動する井上久美設計室の手掛けた建物を通じて、階段デザインを決めていく上でのポイントを紹介していきたいと思います。  

階段の素材選び

階段デザインのポイントとしてまず挙げたいのが、素材選びです。階段のマテリアルとして代表的なのが、木材と鉄骨になります。鉄骨階段は、部材の厚みを薄くしても強度が保たれるので、すっきりとしたシンプルなデザインの階段として人気があります。一方、木製階段は、木造の住まいのインテリアに最も合わせやすいことから、インテリア全体としてまとまりのある住まいに仕上げやすいと言えるでしょう。木製階段は、部材が厚くなり、重々しい階段になってしまうと心配になる方もいるかと思いますが、こちらの住まいの階段のように、木製階段の手すりをスチール製にするだけで、軽やかな階段デザインにすることができるので、手すりも含めて階段デザインを考えていきましょう。  

▶「住まいの写真」ページでは様々な種類の階段を紹介しています。◀

※ 階段の写真ページ


形のタイプ

階段と言っても、その形によって階段の印象や機能性は大きく異なります。そうした階段のそれぞれの形の特徴もしっかり把握しておくといいでしょう。代表的なものとしては、真っ直ぐ上り下りする「直階段」、一度U字に折り返す「折り返し階段」、くるくると螺旋(らせん)状に回りながら上り下りする「らせん階段」があります。形のタイプを考える際は、こちらの住まいの階段のように、階段の中間に踊り場を設けて、安全性や上り下りのしやすさも考慮してみていきましょう。  

【階段の種類については、こちらの記事でも紹介しています】

※ 階段の種類とそれぞれのメリット



箱型階段とオープン階段

階段デザインは、箱型階段かオープン階段を選ぶかでも大きく変わります。箱型階段とは、踏み板と蹴込板で階段裏が箱のように覆われるもので、オープン階段とは、踏み板だけの視線が抜ける階段となります。この2つのどちらにするかで、オープン階段であればリビングに階段を設けられるなど、階段の配置場所も異なりますし、こちらの住まいの階段のように、踏み板だけのシンプルで軽やかな階段の印象も大きく変わってきます。  

階段下の使い方

階段下というのは、デッドスペースとなりやすい空間です。そうしたことから、階段をデザインする際に、階段下をどのように利用するかについてしっかりと考えておくことも大切になってきます。その時にポイントとなるのが先程の箱型階段とオープン階段です。箱型階段であれば、階段裏を収納スペースとして利用したり、トイレを設置することも可能となります。一方、オープン階段であれば、視線の抜けを利用して、観葉植物などを置いておしゃれな空間に飾ることもしやすいですし、こちらの住まいのように、階段下に扉を設けることができるような柔軟な間取りに利用することもできます。  

屋外階段

これまでは室内階段について見てきましたが、屋外に階段を持つ家もあります。そうした屋外階段については、雨に濡れても滑りにくく上り下りしやすい階段にしていくこと、安全な手すりなどが主なポイントとなるでしょう。そうした中で、こちらの屋外階段のように、階段の構造はコンクリートや鉄骨でも、踏面を木材で仕上げることで、滑りにくさが増すだけでなく、温かみや柔らかさが感じられる階段デザインについても考えてみるといいでしょう。

写真:冨田英次  

井上久実設計室の手がけた建物はこちらでも紹介しています◆

井上久実設計室


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