物を持たないつもりでも、食料のストックや調理器具などで物が溢れかえってしまいがちなキッチン。それならば、その物たちを逆手にとって見せる収納でおしゃれにデコレーションしてみてはいかがでしょうか?今からキッチンをリノベーションする方も、既存のキッチンをお手軽にアレンジしてみたい方も、参考にしていただけそうなアイデアを集めてみました。おしゃれキッチンへの第一歩、踏み出してみませんか?
キッチンにあるものを、おしゃれに飾り付けるためには、飾り方にメリハリをつけることが大切です。こちらの埼玉の建築家・H2O設計室の手によるキッチンは、ウッディなテイストで統一されています。壁に備え付けられた棚は、お酒が手に取りやすい場所にまとめて並んでおり、その上段には果物や野菜がオブジェのように、インテリアデコレーションの間にさりげなく隣り合っている様子は、生活感が希釈されておしゃれ感が増しています。
ちょっと目をひくキッチンにするための方法はいろいろありますが、そのうちの一つは収納棚にこだわりを持ってみること。隠すタイプの収納の場合は、統一感を持った釣棚が用いられることが多いですが、見せる収納であれば、例えばこちらのような収納ボードはいかがでしょうか?木製のボードに無数の穴が開いていて、そこに真鍮のスティックを差し込むことで収納スペースを自在にアレンジ可能。マグカップをぶら下げてみたり、二本のスティックにお皿をのせて収納してみたり、ワインボトルやキッチン小物をぶら下げたりと無限に楽しめそうです。
魅せるキッチンにするためには、本来キッチンとは関係ないものをデコレーションとして取り入れるのも一つの手。こちらのキッチンでは、スプラッシュボードを輸送用のコンテナの壁面を切り取って代用しています。ピカピカとした新品のキッチンに、長年旅をしてきてちょっと傷がついたコンテナが不思議とマッチして、オリジナル色の濃いキッチンに仕上がっていますね。元々いろいろなものを詰めこんで安全に運ぶため頑丈にできているものなので、お掃除や扱い方も神経を使わなくてよさそうなのも利点です。
見せる収納ならば、キッチン用品の色合いをある程度揃えることでまとまりのあるキッチン空間が出来上がります。こちらのキッチンでは、モスグリーンとクリーム色が基調となっていて、生成りの色の食器や木調のキッチン小物、グリーンのプレートが見事に調和しています。天井から下がっているフックに掛けられている鍋も色が揃っていて、収納されていながらも、デコレーションとして飾られているかのような印象も。こんなカントリー調のキッチンも素敵ですね。
日常的に使う頻度の高い食器や調味料・お茶などの食料品、キッチン小物は、棚の中に仕舞いこむほどではないこともあります。ならば、うまくディスプレイして見せる収納にしてしまうのが使いやすいキッチンになること間違いなしです。こちらのお宅では、キッチンの作業台の頭上に長く二重に棚を設置して、食器や調味料などをうまく収め、キッチン小物やマグカップは棚下に渡してあるスチールレールに吊るす形で収納しています。木べらや杓子、菜箸などは箸立てのような器にさしていると、種類が多くなるほどに取り出すのが億劫になることも。吊るす収納ならば、洗ってすぐひっかけておくことができて衛生的にもよさそうです。
Photo: Akihide Mishima
おしゃれな印象のキッチンにするには、見た目にもおしゃれなものを飾るのが一番の近道。こちらのお宅のキッチンは、まるでお店のような、生活感が薄いデコレーションが施されています。天井から吊るされた棚には、マグカップやアニメのフィギュア、外国モノのお菓子のジャーが。奥の棚には、北欧風の食器やデザインポットがきれいにディスプレイされています。壁に掛けられた棚もアシンメトリーにアレンジされていて、それだけでもスタイリッシュキッチン!という雰囲気ですね。