これからのドアの選び方、優しいバリアフリーと引き戸のすすめ

A.Imamura A.Imamura
近江八幡の家(車椅子生活者のための平屋住宅), タクタク/クニヤス建築設計 タクタク/クニヤス建築設計 غرفة المعيشة
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これから家を建てる、またはリフォームを考えている人は、全ての人が暮らしやすいバリアフリーの住まいを考えてみませんか?私の友人は、病気で一時期車椅子生活をしていました。マンション住まいで、和室以外はすべて開き戸だったため、その扉の不便さをよく教えてくれました。そのマンションのリフォームの設計の際、彼女が一番重要視したのは、何よりもバリアフリーです。私達は誰もが齢をとるだけでなく、病気はもちろん事故や怪我などで、いつ不自由な体になるかわかりません。バリアフリーの住まいとは、誰もが自立と安心して暮らせる家です。今回は、引き戸でつくるバリアフリーの家を紹介していきます。

バリアフリーと引き戸の関係

引戸玄関は、横にスライドさせるだけなので子供でも簡単に開け閉めできます。力が弱まった高齢者や車椅子での生活でも扉の開閉がずっと楽になります。また開き戸の玄関は、風による影響を受けやすいですが、引き戸は強風でも開閉がスムーズになります。


「住まいの写真」ページでは様々な種類の家を紹介しています。◀

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引戸玄関ならベビーカーでも便利

引戸玄関なら開けるときに、一歩下がる必要がないので車椅子でも開けやすい点が大きなメリットです。開き戸のように閉ってしまうことがないので、開けたままにしておけ、車椅子だけでなく、ベビーカーや荷物で両手がふさがっている時も便利です。

引戸の格子戸玄関で、より明るく

引戸の格子戸玄関には、閉塞感がありません。扉や戸を閉めていても風や光を通すので、開き戸に比べて閉塞感を感じにくい点がメリットです。特に引戸の格子戸玄関は、プライバシーをしっかり確保しながら適度に外に開いた明るい玄関をつくることが出来ます。

上吊り引戸なら掃除も楽

下にレールがない上吊り引戸は、敷居がないので床面が平坦になります。バリアフリーの配慮によって段差につまずいたり、ひっかかったりという家庭内事故のリスクを軽減するのに大きなメリットがあります。また、レールに溜まりがちなホコリやゴミがなくなり、掃除がとても楽になります。

実例1:車椅子でもオシャレで自分らしい生活ができるデザインの美しい家に住みたい

こちらは、車椅子で生活されている施主のために、平屋の完全バリアフリーの住宅が計画されました。車庫からスロープ、玄関まで屋根を延長し、悪天候でも濡れずに家に入ることが出来ます。


バリアフリーの住まいを嫌厭する人の中には、引き戸にオシャレなイメージを持っていないという人がいます。この住まいを見ていくうちに、そんなイメージは払拭されるでしょう。


「車椅子でもオシャレで自分らしい生活ができるデザインの美しい家に住みたい。」施主からの最初の打ち合せ時の一言です。この言葉の期待を裏切らず、応えることを目指して、建築は様々な生活のディテールまで検証しました。


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引き戸で繋がるコの字型のレイアウト

この住まいの間取りは、引き戸で繋がるコの字型のレイアウトです。調理から配膳、食事、片付けまで最短の動線で手間がかかりません。キッチンは、車椅子で使用できるよう通常の高さよりも低い700とし、ダイニングテーブルや作業台の高さとも揃えられています。


【住まいについては、こちらの記事でも紹介しています】

※ デザインだけじゃなく防犯対策も!玄関ドアの種類と選び方

上吊りタイプの引き戸で床にレールがない

1日の中でも一番長い時間を過ごす個室は、全ての部屋に出入りできる動線を確保しています。引き戸を開けると全室がつながるワンルーム空間です。引き戸は、上吊りタイプなので床にレールがなく、車いすの移動も楽。床に部屋と部屋の切れ目がないため、全体的に一体感があり広く感じられます。

バスタイムと自立した生活

浴室のバリアフリーがデザインされていないと、どうしても介助が必要になり自立した生活や暮らしの安心感が低下してしまいます。そんな問題点を考慮し、この浴室は入浴を壁を背にしてシャワーを使用する方法に。右手にシャワーを左手には操作部を。シャワー後はそのまま体を移動させて入浴します。浴槽は一人で出入りできるよう浅型の洋バスを使用しています。クライアントの希望を形にした浴室です。

実例2:車椅子生活に優しい夫婦の終わりの住処

こちらは左半身麻痺の障害のため車椅子生活となった奥様と、御主人二人の終の住処です。高齢の夫婦が暮らす住まいは、生活に負担の少ないバリアフリーの優しい配慮がされています。基本的な生活が負担なく行えるように水回りや生活動線はシンプルに計画されています。ゆるやかなスロープには手すりが設けられ、大きな庇は雨の日でも車への移乗が容易にできるように考慮されています。

クレジット: 撮影者 イクマサトシ(Techni staff)

フルオープンできる木製引き戸で四季を感じる暮らし

暮らしの中心となるリビングは、フルオープンできる木製引き戸が設けられています。これにより庭と一体となった空間ができ、季節の移ろい感じられるリビングに。車椅子の操作のしやすさは、床材に何を選ぶかでも変わってきます。車いすでもストレスなく生活できる、バリアフリーの床材に適した素材は無垢フローリング、複合フローリング、コルクタイルなどがあります。もちろんインテリアのベースになるものなので、お気に入りの床素材を選びたいですね!

クレジット: 撮影者 イクマサトシ(Techni staff)


廊下幅と手すり

一般的な一戸建て住宅の廊下幅は、75から90cmです。歩いて通ることを想定した幅になっているため、車椅子での通行は難しい幅です。例えば、幅広上吊り引戸ならより広い有効開口幅100㎝が確保できます。廊下の手すりは、転倒などの家庭内事故を防ぐためにも効果的です。

クレジット: 撮影者 イクマサトシ(Techni staff)

居住空間だけでなく浴室への配慮も

奥様の左半身麻痺の障害に対応するため、トイレは右後方アプローチ型に。この形式は回転動作なしで右からスムーズに便器に移乗できます。また移乗、立ち上がり動作を容易にするため、便座高を車椅子の座面高さに合わせています。浴槽も右からアプローチできるように、要所に手摺を設け一人での入浴を可能に。

クレジット: 撮影者 イクマサトシ(Techni staff)

追記:浴室のユニバーサルデザインを考えて

家庭内事故の総数は、転倒・転落、及び不慮の溺死及び溺水が上位を占めます。この家庭内事故の発生件数が増える年齢層は、なんと45歳からと65歳以上の高齢者でなくてもケガをする危険性が高まります。例えば、洗い場や浴槽への移動を楽にしてくれるのが、手すりです。滑りやすい床や水栓もユニバーサルデザインのものを選ぶと誰でも楽に使用することができます。

クレジット: fontetrading

浴室は、洗面所、トイレと合体したタイプで

浴室は、洗面所、トイレと合体したワンルームタイプのものが良いといわれています。このタイプは、

車椅子で移動するのも楽で、介護もしやすくなります。洗面台は車椅子に座ったままで利用できる高さを設定すると便利です。仕切りがないため狭いスペースでも開放感があり、インテリアも明るくおしゃれに仕上げることが可能です。

年齢や身体を理由に孤立しない

岩宿の家, arc-d arc-d منازل

緩やかなスロープから庭先へと続き、縁側で親戚や近隣の人達との会話がはずむこちらの住まい。週に一度のデイサービスのお迎えもわかり易く、この家にはさまざまな人々が行き交い訪れます。土間から続く玄関は、そのまま寝室へとつながり、デイサービスへの出入りを容易なものとします。また来客が寝室の住人と会話を楽しむことが出来るので、年齢や身体のせいで孤立することない優しい配慮があります。

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