土間コンクリートとは、砂利や砕石などを敷き込み、その上にコンクリートを打ってつくられた床です。外構部分だけでなく玄関に土間コンクリートが取り入られているのはよく見かけられると思います。最近では玄関の土間コンクリートだけでなく、キッチンやダイニングなど床にも採用している住まいが増えてきています。そこで今回は、室内に土間コンクリート床を取り入れる場合のメリット・デメリットについて紹介していきたいと思います。フローリングやタイルに加えて、インテリアの床材として是非検討してみて下さい!
近年の土間コンクリートとは、デザインコンクリートや仕上がりのおしゃれさから人気の床材です。コンクリート床を取り入れようと考えている方の中には、やはりそのデザイン性に魅せられた方も多いのではないでしょうか。インテリアをシンプルでモダンな印象にしてくれますし、こちらの今津修平/株式会社MUFFによってリノベーションされた住まいのように、天井にある既存のコンクリートの梁などとの相性もぴったりですし、白いきれいな間仕切り壁のように新しい仕上げとの組み合わせも楽しむことができます。
「住まいの写真」ページでは様々な種類の寝室を紹介しています。◀
※ 寝室の写真ページ
土間コンクリートとは、掃除が楽さがメリットです。土間コンクリート床の掃除は、水に強いことから水拭きだけでなく、油汚れも洗剤を使いながら洗い流すことができます。こちらは、玄関に土間コンクリート空間を設けた住まい。玄関や子どもの遊び場などとして使用していても、砂汚れなどを箒でそのまま外へ掃き出せますし、ブラシを使ってしっかりと水で洗うこともできます。
【住まいづくりについては、こちらの記事でも紹介しています】
床暖房を採用しようと考えている方は、是非土間コンクリートと合わせて考慮してみて下さい。土間コンクリートとは熱を蓄えやすい性質があり、床暖房と組み合わせることで効率的な室内環境の調整が可能となります。冬に直接コンクリートに触れた時のひんやりとした冷たさも解消されます。こちらの住まいでは、土間に冷温水式床暖房が採用されており、夏は涼しく冬は暖かい土間空間となっているだけでなく、窓から差し込む日射によって土間に熱が蓄熱され、その熱の放射によって室内が暖められるパッシブ効果も合わせて図られています。床暖房については「床暖房で住まいを暖める6つのメリット」でも紹介しています。
写真:TERRA DESIGN.co.,ltd
◆homifyには多くの建築家や住まいの専門家が登録しています。専門家のリストから希望の専門家を見つけましょう!◆
土間コンクリートとは異なる他の床材と組み合わせるゾーニングは、段差や間仕切りなしでも空間を仕切る1つのテクニックです。壁や間仕切りがないことでインテリアをより開放的に感じることができます。床材の違いによって部屋の使い方にも幅が生まれます。
写真:RENOVESTATE
こちらは土間から繋がるリビング。土間コンクリートは掃除のしやすさから、薪ストーブを直置きする場所として利用されています。開口部付近の土間コンクリート床は薪の搬入や掃除がしやすくなるメリットがあります。家族が集まるLDKの一角は、家族が自然に集まる温かいリビングをつくります。
モダンデザインの中に取り入れた現代町家には魅力が詰まっています。こちらは広い玄関土間コンクリートとキッチンが繋がる住まい。伝統町家の構成を踏襲したこの住まいは、土間とリビングの段差を活かした対面型キッチンを採用しています。土間コンクリートの掃除メリットを最大限に活かします。
そうした多くのメリットに対して、もちろんデメリットも見られます。その1つが、床が硬いことによって長時間立ち続けていると足腰に疲れが溜まってきやすいという点です。足腰に不安がある方は、キッチンのような立ち続けることのある場所にはあまり取り入れないようにした方がいいかもしれません。また、硬い床であることで、陶器やガラス製の物を床に落としてしまうと割れてしまう可能性がかなり高くなってしまいます。
コンクリートにひび割れが入っているのを目にしたことがある方も多いと思います。そうしたコンクリートにおけるひび割れを「クラック」と言います。特に珍しい事ではなく、コンクリートでは必ず起こってしまうものです。そうしたクラックをコンクリートのデザイン性としての良さと受け止める方もいますが、やはりあまりクラックは発生してほしくないものです。もちろんクラックを出来るだけ抑えるために、あらかじめ目地を入れておくなどの色々な対策もあります。
【メリット・デメリットを比較については、こちらの記事でも紹介しています】
こちらは自転車などを保管しておけるユーティリティスペース。床材はコンクリートで掃除と手入れがし易すく便利です。大きく繋がる居住空間と段差があり、埃や泥も入りません。このようなユーティリティスペースは、気軽に土足のまま利用できるので便利ですね!
◆homifyには多くの建築家や住まいの専門家が登録しています。専門家のリストから希望の専門家を見つけましょう!◆